2007年06月28日

世界に一つだけの匙(スプーン)

『和食器』 の最高のパートナーと言えば、当然 『箸』 ですよね♪

スプーン・フォーク・ナイフなど一通りのカトラリーの機能は、『箸』一本あれば最低限賄えると言っても言い過ぎではないほど、『箸』『和食器』にとって『万能であり最高のカトラリー』だと思います。

それでも近年、国内でも世界各地の料理が紹介され、『和食器』 も「日本料理」に限らずあらゆる料理に使われる機会が増えて来るに伴い、『和食器』 と共に 『スプーン・フォーク・ナイフ』 を使う機会も増えて来ているのも事実です。

そんな昨今の食卓事情にあって、形も複雑で素材や強度も多種多様な『和食器』と合せる『カトラリー』となると、『金属製のカトラリー』では器との接触時などにちょっと気になったりする事がありますよね。 そんな時にはやっぱり『和食器』には『木製のカトラリー』の方が似合うのかなって思うことが良くあります。

そんなことから、いつか『菖蒲の隠者』でも隠者らしい『木製のカトラリー』をセレクトして紹介したいなという思いをずっと抱きつつ。。。。 とは言え、巷には『国内産』『国外産』・・そして『高価』な物から『安価』な物まで・・さまざまな『木製のカトラリー』が紹介されていて、今さら『菖蒲の隠者』で紹介するまでも無いのかなという思いも巡らしていました。。。

そんな思いの中で出会ったのがこの作品♪

『世界に一つだけのスプーン』 北陸出張中に暇を見つけて『漆器』の新商品を作るために北陸の漆器産地を回っていた時に見つけたこの作品は、まさに『隠者の杖』にも似たような・・そんな『カトラリー』でした。

早速この作品を作った方の工房を調べると、タイミングの良いことに隠者が滞在中の金沢市内にアトリエがあることが分かり、迷うことなくその工房を訪ねることにしました♪


電話でアポを取ってその場で断られるのも嫌なので、アポ無しでの突然の訪問でしたが、製作中の手を止め出てきた作者のお顔を拝見して驚いたのは、『菖蒲の隠者』でも紹介している『銀河釉』の作家『中尾哲彰』さんに、年齢の違いこそあるものの、風貌と言い雰囲気と言いそっくりな方で、一気に親近感を覚えてしまいました(笑)。

『中尾哲彰』さんの似顔絵 『木下輝夫』さんの似顔絵 左側が『中尾哲彰』さんの似顔絵で、
右側がご本人『木下輝夫』さんのお名刺に描かれていた似顔絵です。
小泉元首相にも似た芸術家を感じさせる髪型といい、細面のお顔立ちといい、似顔絵からも似ているのが伝わるのではないかと思います(笑)

その親近感はお話をさせて頂くにつれ更に増し、物の考え方なども『中尾』さんの考え方・生き方にとても重なるものを感じ、何だか『中尾』さんご本人とお話をしているような錯覚を覚えるほどでした。

前置きが長くなってしまいましたが、そんな嬉しい出会いから『菖蒲の隠者』でも紹介させて頂く事になった作家さんの紹介をさせて頂きます♪


オリオン・アート アトリエ〔テオ〕 木下 輝夫

『世界に一つだけのスプーン』
もともとは木彫・木工芸の『彫刻家』として活動されている作家で、その木彫りの『彫刻』は東京の『六本木ヒルズ』敷地内にも飾られているとのことです。

そんな『彫刻家』の方が何故『スプーン』なんて作り始めたのか??

それは7年前。。友人の『喫茶店』オーナーが、『オープン以来使っている『ガラスのシュガーポット』に付けている『金属のスプーン』が、ガラスと触れるときに「カチャ・カチャ」と音を立てて、ずっと気になっている』と言う話を聞き、『じゃあ、木のスプーンを作ってやるよ』と作ってあげたことが切欠。。。
もちろん『彫刻家』の作るスプーンはデザインも個性的で・・『喫茶店』に来るお客様から『譲って欲しい』とお願いされる度に、スプーン作りを続けていくうちに、いつの間にか商品(作品)となっていたそうです。

そんな思いがけない切欠で始まった『スプーン』作りは、商売目的で始められたものでもないので、作品製作の手間からすると考えられないほど『安価』です。
そのあたりの事を尋ねてみると、やはり作品としても商品としても儲けは殆ど無いそうです。 それでも値段を上げない理由は 『元々使ってもらうために作り始めた作品なので、多くの人に普段使いに使ってもらうにはこの位の価格が妥当でしょ?』 と言うお返事、しかも 『販売価格は値上げしないで下さいね』 との念押しまでされました(笑)。

そして、更に驚かされたことは・・

『お椀』などの『漆器』の製品を作るときに製造メーカーに確認する事があるのですが、それは、販売した『漆器』の製品でお客様が希望すれば『漆』などの補修をしてもらえるかどうかの確認です。 もちろんこの場合は『有償』が前提ですので、大抵の場合は製造メーカーも実費程度で製品の補修も請け負ってくれるのですが、今回はこちらが製品の補修について話を切り出す前に、『木下』さんの方から申し出があり、商品をHPで紹介する際に『是非、製品の補修について記載して欲しい』との申し出がありました。 それだけでもお人柄の誠実さを感じたのですが、しかも『この補修についてはよほどの場合を除いて無償でやらせてもらっています』(注:送料の負担だけお願いします) とのお話に、一瞬『聞き間違えたか?』と思うほど驚いてしまいました。

そして恐る恐る・・『無償(タダ)で良いんですか?』・・とお尋ねしたところ、その理由についてもお話し下さりました。。。

アトリエ〔テオ〕 『木下』さんのアトリエには所狭しと、木材が積み上げられています。 もちろんそれは作品の材料となる木で、仕事の関係や友人(建築関係・地元伝統芸能の太鼓メーカー・炭焼き、農家などの友人)を通じて集まる木材は、その種類も豊富なら、形状なども色んな形・サイズをしています。 その色んな木材を使い生み出される作品は、それぞれの木材の持つ独自の色・木目を活かすために表面には薄いクリアのアクリル塗料を塗って仕上げてあります
(■作品の特徴■のページを見ていただくと良くお解かりいただけると思います)
このアクリル塗料仕上げは、市場に出ている多くの『木製カトラリー』にも同じように施されている仕様ですが、この塗料は永久に維持出来るものではなく、使用していくうちに自然に剥がれていくもので、特にスプーンの渕など直接食器と接することが多い箇所から剥がれていくことになります。
そうして塗装のはがれた箇所は水分なども染み込みやすくなり、お料理の種類などによってはそこから変色してきたりします。 特に木肌の白い製品はその変色も目立ちやすく、そうして汚くなってしまった物は、多くの場合捨ててしまわれるケースが多いのではないでしょうか?
でも、『塗料が少し剥げて来たかな?』と感じた時点で補修をすれば、殆ど新品と同じような状態にすることが出来ますので、『木下』さん曰く『木の樹齢と同じ年数位は使って頂けるものと思っています』 だから 『塗料が完全に剥がれて汚くなって来る前に、早めに補修に出してください』 とのお話でした。
でも、ここまでのお話を聞けば尚更補修頻度も多くなる訳で、それを全て本当に無償でやって頂けるのか?半信半疑だったのですが。。。

アトリエ〔テオ〕 『木という物は金属と違って脆い物です。 火を点ければ燃えてしまうし、乱暴に扱えば割れたり傷ついたりもする。。。 金属なら曲がったり切れたりした物も元に戻す事は出来るけど、木は割れてしまったら中々元には戻せません。 自分の作った製品(作品)が、使い捨てのように使われるのは忍びないもので・・・ せめて出来る限りの寿命を全うして、使命を終えてもらいたい。』

ちょっと感動で。。。そして納得でした。。。

『木下』さんにしてみれば、一つ一つのスプーンそれぞれが作品であり、
『世界に一つだけの匙』 なんですね。。。


『菖蒲の隠者』『木下』さんの作品をご購入されたお客様で、補修を希望される場合は、>> コチラ << からお問合せ下されば商品のお送り先をご連絡させて頂きます。
直接ご本人にご依頼いただくと、ご迷惑をお掛けする可能性もございますので、その場合も予め弊社へご確認をされてからお願い申し上げます。

posted by いんじゃ at 16:13| Comment(0) | TrackBack(1) | お仕事日器 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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